実はこの幼稚園の写真自体は、すでに尾崎さんのブログでも紹介されていて
そちらは、写真をクリックすると別ウィンドウが開いて
大きな画像を見られるようになっている。
なので、この空間を伝えるものとしての写真は
以下のリンク先で、作者自身の言葉とともに見ていただきたい。
サファリ-853 くすのき幼稚園の写真
サファリ-854 くすのき幼稚園の写真-2
サファリ-855 くすのき幼稚園の写真-3
サファリ-856 くすのき幼稚園の写真-4
サファリ-857 くすのき幼稚園の写真-5
・・・で、ここでは撮影中のちょっとしたエピソードを。
それは、2階の美術室を見学・撮影させていただいた時のことだった。
ひと通りの撮影を終えた私は、尾崎さんやあやさんと一緒に
美術室前の廊下から、何気なくエントランスホールを見下ろしていた。
と、そこに一人の女の子が現れた。

選手、入場!・・・って感じですな。
れれれ?
今は休み時間じゃないようだけど?
実際、他のおともだちがお部屋の中でお絵かきしたり、
お歌をうたったりしているのが、2階からもよく見えた。
だから広々したホールには、この女の子以外誰もいない。
けれどそんなことを全く気にする様子もなく、
女の子は実に楽しそうに、一人遊びを始めた。

わたし、ここが大好きなんだ~ ♪

今日は何してあそぼうか・・・

すりすりすり・・・

背中でもギュッ!
がらんと広い空間で、その空間そのものと戯れてでもいるかのように
彼女は遊んでいた。
やさしいパステルトーンの中に屹立する赤。
おそらく彼女は無意識のうちに知っているのだ。
この場所が、この幼稚園の中心。
要となるとても特別な場所だということを。
その力を感じるから、ここに引き寄せられるのだ。
こどもって、すごいなぁ・・・
尾崎さんとあやさんと、それから私。
三人の大人が魅入られたように見つめているのに気が付いて
彼女は一瞬はにかんだような表情を見せたが
また、自分の世界に戻っていった。
けど、ほどなく通りがかった先生に発見されて
「あらあら、またここにいたのね」という感じで教室へ・・・
彼女のいなくなったホールは、しかし給食の準備をする人や
美術室から教室に戻る子どもたちで俄かに賑やかになる。
みんな、ただ通り過ぎていくだけで
彼女のようにはこの空間と関わっていない。
それでも、ほら・・・
やっぱりここを中心に、この幼稚園は回っているのだ。