2008年 11月 19日
Migrate #3 |
50分間のダンスの後、10分の休憩をはさんでトークセッションがあり、
この企画のきっかけやプロジェクトのプロセスが紹介されるということだった。
元々は東京在住の岐阜出身者たちが設立し、現在は地元の山間部での活動などを通して
故郷岐阜と東京との関係性に注目した様々な活動を行う G-net TOKYO と
主に東京近郊で新しい形のダンスパフォーマンスに挑み続ける AAPA と。
普段は活動内容も拠点も異なるこの二つのグループが
「森」をキーワードとしてどのように出会って、こういう場が生み出されたのか。
森と、移動についてのダンスがどのように繋がってきたのか。
そのあたりのお話をぜひ聞いてみたいとは思ったのだが、
子連れなのと時間の都合とで、諦めざるを得なかったのは残念。
残っていられたら、券を用意していただいた彼女にもお目にかかれて
直接お礼を言う機会もあったかもしれないのに、結局それは叶わず
簡単なメッセージと、休憩時間中に大急ぎで書いたアンケートだけ残して、
まだダンサーの熱演の名残が濃密に残る会場を後にした。
アートな空間から一歩踏み出すと、そろそろ街灯もともり始める夕暮れの浅草。
川面を、意外に速いスピードで進んでゆく水上バス。
道には車の行列。
歩道から溢れんばかりの人、人、人の波。
あぁ、動いてる。
やっぱり、動いていくんだなぁ・・・
と、思わず足を止めて真剣に見入りそうになるのを
「ほら、行くよっ!」と娘に急かされる。
はいはい・・・
お土産に舟和の芋ようかんを買い、さぁ、帰ろう!と駅に向かう途中で
今度は娘が立ち止まった。 そのまま、動かない。
行くときから目をつけていたらしい甘味処の前である。
今度は私が「ほら、行くよっ!」と促すべきところではあるが
このまま一気に電車に乗ってしまうのももったいないような気がして
ちょっとだけ寄り道して、二人であんみつを食べた。
この日のダンスは、例えば洗濯を干すとか衣服を脱ぎ捨てるとか
日常的で具体的な動作に、非常に抽象的な意味合いをもたせてあったりするような
とてもコンセプチュアルな作品だったので、
小学5年生の娘には、正直、難しかっただろうと思う。
でも意味なんてわからなくていい。
そもそも私だって、きちんと汲めたかどうかは怪しいのだし。
ただ、自分の考えや想いを自分なりのやり方で真剣に表現しようとする人たちがいて
それを受けるために、それぞれの場所からそのひとつの場所に集う人たちがまたいる。
人はそのように繋がることができる。
公演が終われば、演じ手も観客もまたそれぞれの場所に帰っていくけれども
共有したものは無くならないで、深いところでずっと繋がっている。
そのことを、どこかで感じてくれているといいな・・・
「おかあさ~ん、顔がシアワセになっちゃうよ~♪」
あんみつで膨らんだほっぺたをほっこりと手のひらで包みながら、
娘が「シアワセ」という言葉を連発する。
う~む、そこはやはり親子。
花より団子、の血は争えないようで(笑)
というわけで、お陰様で心もお腹も大満足の一日でした。
どうもありがとう・・・
by immigrant-photo
| 2008-11-19 08:02
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