2008年 07月 16日
コラボレーション 「三本木」ほか (1) |

6月の終わり・・・
新たなご縁があって、本山ひろ子さんという作家さんとのコラボレーションが実現した。
今回もまたいろいろな刺激を受け、たくさん勉強させていただいたので
そのことについて書いておきたい。
* * *
本山さんとは以前、鋳込みの撮影に伺ったときに一度お会いしたことがある筈なのだが
あの時は他にもたくさんの人がいて、それぞれに忙しく動いておられたので
はっきりとは覚えていなかった。
それはおそらく本山さんの方も同様で、だから私が6月20日に初めて
本山さんのアトリエに伺ったときが初対面と言っていい状態だった。
お互いかなり緊張していたとは思うのだが、幸いにも(?)事態がかなり急を要していたので
初対面の緊張感をじっくり味わう余裕もなく、さっそく撮影にとりかかった。
本山さんからの依頼はこうである。
7月に青森の十和田市というところの美術館で行われる展示に向けて
図録用の写真を用意しなくてはならない。
締め切りは6月末!
お話をいただいた時点ですでに6月後半に入っており、
お互いに都合がついて漸くお目にかかれたのがこの日、つまり20日であった。
あと10日しかない。
しかも私はまだ、本山さんがどういう作品を作られるのかさえ知らないのだ。
最初に見せていただいたのは、ブタ!ブタ、ブタ!ブタ、ブタ、ブタ!
何匹いたのか数えなかったけれどもずいぶんたくさんの、
それぞれに微妙に違うブタがアトリエの入り口前をウロウロしていた。
しかも実際にはもっとたくさんになるのだという。
小雨のパラつく中、先ずはそのウロウロした感じをパシャパシャとカメラに収める。
雨が少し強くなってきたのでレインコートをお借りして、今度はアトリエの裏にまわる。
おぉ!木の上に2匹のサルが・・・そしてその間には、同じぐらいの大きさのリンゴ!
雨に濡れて少したそがれた風情の彼らを、トラックの荷台に三脚を立てて撮影。
その場で本山さんとイメージを確認し合う。
デジカメは、こういう時とても便利だ。
さらに奥の倒木には、ズラリと並んだトリの軍団。
これまた実際に展示される作品数は更に多くなる予定だと伺って、思わず目を丸くした。
しかし雨がひどくなってきたので今日はトリの撮影は諦めようということになり、
次回の撮影時にははしごをかけて倒木の高さまで上がり、上から見下ろすような感じで・・・
などと段取りを決めるだけにした。
最後は鋳物場に移動。
ここは鋳込みの時に、型を焼くための窯が築かれていた部屋で、
独特の雰囲気があって私も大好きな場所だ。
その部屋の床一面に厚く敷かれた細かい砂(灰?)の上に、3頭のキリンがいる。
正確に言うと頭部が2つと、首付きの頭部が1つ。
大きさは原寸大ぐらいなので、部分だけとはいえかなりの迫力である。
「これは・・・実際にはどうやって展示するんですか?」などと質問しながら撮影してみたが、
陰になる部分が思ったより暗くてなかなか難しい。
ここでも本山さんと相談しながら、電灯をつけてみたりアングルを変えてみたりした。
これで一通りの撮影は終わったので、本山さんが用意してくださった
手料理をおいしくいただきながら、いろいろおしゃべりをした。
一緒に半日過ごしたお陰で、初対面の緊張感はすっかりなくなっていて
楽しさについ時間を忘れるほどだった。
この日撮った写真は、叩き台としてはまずまず、といったところ。
何枚か選んで本山さんに送り、お互いに感想や意見をメールで伝え合った。
その過程で、私は本山さんの美術に対する想いへの理解を深めることができたし、
その想いが本山さんの作品をしっかり貫いている、ということを実感することができた。
また本山さんは本山さんで、他人による撮影という初めての体験を通して
知り尽くしているはずの自分の作品をまた新たな角度から見直すことができそうだ、と
とても喜んでくださった。
要するに、メールで語り合いながら二人とも大いに興奮し盛り上がって、
次回の撮影に向けてますます気合が入ったのであった。
by immigrant-photo
| 2008-07-16 01:30
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