2008年 05月 12日
コラボレーション 「!」 (1) |

作品タイトル 「!」
昨年「炎と水のキス」でコラボレーションさせていただいた
彫刻家 尾崎 悟さんの新作。
戸口を額縁に見立てて絵画風に撮ってみたが、立体作品である。
4月の終わりに、千葉県の何とも素敵なギャラリー〈風草〉で開催された三人展で発表された
この作品は、元々そのギャラリーの一室との出会いから生まれた。
だから、いわば展示されている一室まるごとが作品だといってもよい。
今回、そのスケールの大きな作品を私が撮らせていただくことになって、
うれしさとともに大きな不安も感じていた。
だって、部屋まるごと!ですよ。
いつも、マクロレンズにさらにクローズアップフィルターを付けて、
寄りに寄って撮っている私が、空間全体を相手にする!?
大丈夫かなぁ・・・
その不安を少しでも埋めようと、使えそうなものは手当たり次第に車に積み込んで
ギャラリーに向かったその日は、晴天。
爽やかな風も心地よく、絶好の撮影日和だった。
〈風草〉の感じのよい白い扉を開けて中に入ったその正面に、作品はあった。
簡素な板敷きの和室にくっきりと鋭く真っ直ぐ、
けれどあくまでやわらかく優雅に光る、1本の白いライン。
その下に丸い地球。
緊張感と開放感、
上へ上へと向かおうとする伸びやかな力と名刀の切れ味のような容赦ない厳しさ、
極めて精緻でありながらどこか人間臭いぬくもりも感じさせる、
それはとても不思議な作品であった。
尾崎さんは、この作品ができていくプロセスを自身のブログに書かれていたし
撮影に備えて制作過程を見せていただく機会もあったのだが、
完成した姿に対面したのは、この時が初めてだった。
しばし、息をのみ・・・しかし早速撮影にとりかかる。
2時間ほど撮影したあと、尾崎さんのご友人ご夫妻も交えて
オーナー自慢のチキンカレーのランチをいただいたり、
角度を変えて、自然な感じに整えられたお庭から作品を眺めてみたり、
実に楽しく心地よい時間を過ごしながら午後も何枚か撮って、撮影を終えた。
帰宅後、画像をパソコンに取り込んで見てみたら
光に満ちた空間の中で、作品が気持ちよさそうに伸びをしていた。
by immigrant-photo
| 2008-05-12 01:33
| 交流