命日に

５年前の今日、一人の若い女性が亡くなった。

エイミー・ワインハウス。27歳。

グラミー賞５冠に輝いたこの稀代の歌姫のことを
私はほぼ全く知らなかったのだが、友だちに誘われて
昨日「AMY」というドキュメンタリー映画を見た。
とても印象深い映画だった。
感想を書きたいけれど、まだうまくまとめられない…

ただこの映画は、できるだけ映画館で見てほしいと思う。
大画面からもはみ出しそうな彼女のアップにたじろぎ、
頭の中がうぉんうぉん鳴るほどパワフルな声に弾き飛ばされそうになり、
パパラッチたちのストロボの閃光に共にくらくらし…
身体に堪えながら彼女の人生に巻き込まれてみれば、
彼女の早すぎる死に対して、自分も全く無罪とは
言えないのではないかという気がしてくるはずだ。
そしてそういう感覚を持つことがとても必要なんじゃないかと
最近、よく思うのだ。
無垢の輝きに満ちていたひとつの命が、
いとも簡単に穢され、消費しつくされていく様を、
私たちは傷みをもって直視し、踏みとどまる努力を
そろそろ真剣にしなくては。
喪ってしまったものは、二度と戻らない。

　　　　　私を知れば世間は理解するはずよ
　　　　　私は音楽しか能のない人間だって
　　　　　だから放っといて
　　　　　音楽をするから
　　　　　音楽をする時間が必要なの

　　　　　　　　　　　　エイミー・ワインハウス