2015年 07月 26日
本日のお出かけ |
上田義彦さんの個展、3回目です。
しつこいな、私も。。。
しかーし!
そんなしつこい私のためのような朗報が。
会期延長ですってよ。
本来なら今日が最終日だったのですが、
何と12月の終わりまでのロングランが決定。
そのことは昨夜知ったのですが、展示替えもありそうなので
やはり今の展示を最後にもう一度、と。
今日の主目的は、映像作品「PORTRAIT(ポルトレ)」をぜひ、全部見たい、と。
前回途中から見たのですが、何しろ100分あって、
その後、もう一つの映像作品であるCM集(80分)もあるので
とても全部は見られなかったのです。
で、今回はCM集の途中から見始め…
それが思ったより始めの方だったみたいでなかなか終わらず
途中ちょっとめげそうになりましたが、
お尻痛くなってきたけどがんばって座り続けて
ついに全部見ましたわ。。。
長かったのと、暑かったのとで、集中力がきれて
最後の方はちょっと朦朧としてしまいましたが(熱中症か?)、
見てよかった!と心のうちで叫んでしまったのは
ダンサー大野一雄さんの映像を見たとき。
様々な著名人のポートレートを集めた写真集「PORTRAIT」は
いずれ劣らぬ力作揃いですが、中でも私が最も好きなものの1枚が
大野さんのポートレートです。
その写真は大野さんの自宅リビングで撮られたものらしく
大野さんはくつろいだ様子で、開け放たれた掃き出し窓の近くに
ただ佇んでいる。
何のポーズをしているわけでもないのに、
身体にはしっかりと表情が感じられて
大野さんが類稀なダンサーであることを
一瞬にして納得させられてしまう。
…そんな写真。
映像作品「PORTRAIT」には、その撮影のときの
それぞれのモデルの様子が動画で記録されていて
前回見たとき、上田さんのその時々の被写体への向き合い方のようなものが
まざまざと感じられて、とても興味深かったのですが
大野さんのときは、カメラは引いたまま
窓から入る風を全身で感じている大野さんをしずかに見守っていて、
殆ど動かない。
やがて大野さんは、風とともに踊り始め
カメラはまたそれを淡々と記録し続ける…
あの写真は、このような関係の中で撮られた1枚だったのか。
映像作品「PORTRAIT」での被写体との距離感は、
相手によって随分違っていて
残酷なほど寄って、相手を容赦なく追い詰めていく時もあれば
困惑の表情を浮かべる相手を気遣うかのように
ふと視線を外して、室内をゆっくり見渡す時もあり
そういう、相手に応じた距離感が何とも絶妙な感じで、
だからこそ上田さんの撮るポートレートは、
あんなにも自然で、一見普通っぽいのに
しっかりと “その人” をとらえているのだろうなと
あらためて感じ入った次第。
さて、12月の会期終了までに、あと何回行けるかな。。。
とりあえず展示替えしたら、また行ってみたいです。
by immigrant-photo
| 2015-07-26 16:28
| 美術展