2013年 12月 31日
2013年の終わりに・・・ |
この1年もまた、多くのご縁をいただいた1年だった。
うれしくてキョロキョロしているうちに、
あっという間に1年が経ち、今日はもう大晦日。
間もなく年があらたまる。
今年はなぜかムダということについて考える機会が多かった。
一般的には、ムダはなるべく少なく
できればないことが望ましいとされている。
でも本当にそうなのだろうか。
ムダというと思い出すことが一つあって、
たぶん私が小学校の高学年ぐらいだった頃のことだと思うのだが
母の知り合いの人から勧められて、ある集まりに参加したことがあった。
行儀作法の講習会のようなものだと聞かされていたが
実際には道徳っぽいお話を聴くのがメインの会だった。
お話全体の内容は忘れてしまったけれど、
導入の部分は未だに忘れられない。
「世の中には3つのムダがあります。」と、講師は話し始めた。
「お金のムダ、時間のムダ、心のムダです。」
そしてそれぞれについて、例をあげながらさらに詳しく説明。
「お金」と「時間」については、例をきくまでもなく、まぁ、わかる気がしたが
「心のムダ」というのが、私にはわからなかった。
講師はこんな例をあげた。
「バスの座席に座っていたら、お年寄りが乗ってきて自分の前に立った。
でも自分はとても疲れている。そういう時に、席を譲ろうかどうしようかと
迷うこと。それが心のムダです。」
ちょっと、じゃなくてかなり、ショックだった。
アタマでわかっている正しいことと、
いつもさっとその通りに行動できるわけではない自分とのはざまで
心が大きく揺れ動くようなことを「ムダ」と断じられてしまっては
私のような優柔不断の人間には立つ瀬がない。
でも、その講師の話の方が正しいとは、どうしても思えず
その後のお話は全く耳に入ってこなかった。
大体、ムダってそんなにいけないことなのか?とも思うのである。
考えてみれば、人間以外のいきものにとっては
ムダなことなんてあり得ないわけで
そういう意味では、ムダなことができることにこそ
人間の人間らしさがあるのではないかとさえ思う。
・・・なんて、大晦日にうだうだ考えることではないですね。
それでも歳は暮れゆく。
by immigrant-photo
| 2013-12-31 20:33
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