2011年 11月 17日
写真展 <水の宴> のこと #3 |

今回の展示はすべてモノクロにした。
師匠の松原さんはモノクロがメインの人で
私もあんなかっこいいモノクロを撮りたいと思って
写真の勉強を始めたようなものなのだが
その割に、私はこれまでどちらかというとカラーがメインで
モノクロはごくたまにやってみる程度。
これまで本格的に取り組んだことなかった。
私の写真はモノクロにするには弱すぎる。
もっときっぱりした画が撮れないと、モノクロは映えないのだろうな、
と思っていた。
が、個展会場の PLATFORM STUDIO という空間は
モノクロ写真の方が断然お似合いの雰囲気。
照明も暖かみのある白熱灯色で、
コマーシャル・ギャラリーの所謂ホワイトキューブのような
真っ白くてニュートラルな空間とは違う。
そういうことを考慮したうえで微妙な色合いを表現するのは
かなり難しいことのようにも思えて
気持ちはますますモノクロに傾いたが、
何しろやったことがないので、どうしても腰が引ける。
いつものカラーでいくか?
モノクロに初挑戦してみようか?
これまで数えきれないほど水の写真を撮ってきたけれど、
今回は一から撮り直そう!と、これだけははっきり決めて
しかしカラーかモノクロかは決まらないまま、5月の初めに撮影を始めた。
撮ったものは、ネット経由でコラボ相手の yuko さんに見てもらい
yuko さんは、それらを元に少しずつダンスの構想を練っていく・・・
そんな形で私たちのコラボが始まって少し経ってから
私は漸く、せっかくの初個展なのだから
この機会にモノクロにも初挑戦してみようという気持ちになった。
それから個展用の撮影を完了した9月初めまで
ほんの数ヶ月とはいえ、常に、モノクロで仕上げることを意識して
撮影を進めたのは、予想以上にいい勉強になったし
これから先、もっといろいろ試してみて
自分なりのモノクロ表現を見つけたいと思うようにもなった。
今回思い切ってやらなければ、モノクロには手を出さなかったかもしれない。
だからこういう気持ちの変化も、今回の個展で得た収穫の一つだと思う。




by immigrant-photo
| 2011-11-17 09:50
| thinking