2010年 01月 10日
コラボレーション 「声がする」「鳥を抱く人」 |
ーあふれるー
2009年12月13日(日)〜12月24日(木)
昨年12月、これまで何度かコラボさせていただいたことのある
彫刻家 尾崎悟さんの個展が開かれた。
会場は成田市のギャラリー海。
閑静な住宅街の一角にあるこのささやかにして豊かな空間は
昨夏、尾崎さんご自身が改装を手がけられた一つの “作品” である。
(11月13日付「ギャラリー海」参照)
自ら生みだした空間の中に、自分の作品を展示するということは
空間丸ごと、自分の世界にしてしまえるということで
もちろん作家冥利につきるすばらしい機会ではあるけれど
同時に、大きな挑戦でもあったようだ。
どんなささいな部分でさえ知り尽くしている場であるが故の難しさ。
その歓びと困難との狭間から、二つの新作が生まれた。
「声がする」
「鳥を抱く人」
壁面と床面との2面を使って表現された、大きな作品「声がする」と
すっぽりと手で覆ってしまえるほどかわいらしい「鳥を抱く人」と。
一見対照的にさえ見えるこの二つの作品は、しかし
いずれも、ある一つのできごとがきっかけとなって誕生した。
それは尾崎さんが仕事場で飼っておられた雄鶏 セナ の死だ。
たかが鶏、というなかれ。
セナへの想いや、その想いがどのようにして作品として形を成していったのか
については、尾崎さんご自身の言葉を聴いてみていただきたい。
【彫刻家 尾崎悟が想い巡るサファリ】
12月19日付「サファリ‐731 個展の作品」から全12回
(リンク先の記事から、末尾の “< 前のページ ” をクリックすると順番に読めます。)
今回は会期中に2回、撮影にうかがった。
1回目はとてもお客さんが多く、こじんまりしたギャラリー内に
常に人影が絶えないような状態だったので
(展示会としてはもちろんありがたいことなのだけれど)
三脚を立ててじっくり撮影するのはかなり厳しい状態になってしまったのだ。
結果、この日は惨敗。
それで、オーナーの小林さんにご無理をお願いし、
オープン前に時間を作っていただいて再撮影に挑んだのだった。
迸りあふれる激しい想いを受けてなお、ゆっくりと波紋を拡げる水面の静けさ。
その静寂を、寂しさを、孤独を、落ち着きを
どこまで写真として表現できたのか、については、実は今も自信がない。
もう少し、踏み込めたのではないか。
もっと、空間全体に通い合うものをとらえることはできなかったか。
そんなことばかり思っている。
by immigrant-photo
| 2010-01-10 12:39
| 交流