2009年 08月 26日
今は昔の物語 <2> 野外ステージ |

この野外ステージは、昔からあった。
ここで、白雪姫の劇を観た。
・・・と書いた途端、頭の中で、白雪姫が歌っていた歌が流れ始めた。
王子との掛け合いで、それぞれの国の様子を伝え合う場面だ。
ラストシーンでは、確か同じメロディでふたりの門出を祝い、
幸せに満ちた国への希望が歌われた。
今の今まで、自分がその歌を覚えているなんて思いもしなかった。
というか、そんな歌があったことさえ忘れていた。
記憶というのは不思議なものだ。
劇が終わった後、出演者と一緒に写真を撮ったことはかなり鮮明に覚えている。
舞台用のメイクをした白雪姫と7人の小人に囲まれて、
まだ小さかった一番下の妹はおびえて泣いた。
小人が一生懸命あやしてくれたが、ますます大きな声で泣いてしまった。
恥ずかしがりやの真ん中の妹は、うつむきかげんにちょっと無理した笑顔。
私はうれしいような、照れくさいような気持ちだった。
演技が終わって間がなかったのだろう、
並んで座ると、小人の体からは汗のにおいの混じった熱気が伝わってきた。
それが全然不快ではなくて、何だか羨ましい気さえしたのだったが。
あれは、いつの頃だったろう・・・
by immigrant-photo
| 2009-08-26 00:06
| wanderings