2009年 08月 05日
無垢の歌 #4 |
距離をおく

子猫たちが子ども同士で遊べるようになって来た頃、こんな風景を見てとても感動した。
それまでと、ささやけれど大変な違いがあったからだ。
それは、母猫が子猫から離れているということ。
ずっと、子猫たちに押しつぶされるようになったまま寝ていた母猫が
子猫たちが寝入ったのを見計らって、少し離れて過ごすようになっていた。
ちょっとだけ離れたところから、愛しげに子ども達を見守る顔がとてもいい。
そして、子ども達の動きが活発になるに従って、母猫はますます距離を開けるようになった。
けれどもその視線は、いつも子ども達に注がれている。


子ども達がもう少し大きくなると、しばらく子ども達を自由に遊ばせた後
召集をかけるようになった。
この時のお母さんの顔は、とてもこわい・・・

初めの頃は殆ど呼びの効かない状態だったが、子ども達も徐々に
母猫の言わんとするところを理解するようになっていき、
サッと!・・・とはさすがにいかないけれど、それなりに集まるようになった。
そこで、母猫の教育はもう一段階先に進んだ。
フェンスによじ登ること

よそのおじさんへの挨拶の仕方

木登り

野生のものを食らうこと (写真は、キジの雛?にかぶりつくプンプン)

母猫は徐々に子ども達を離しつつ、
私たち人間の生活からも少しずつ距離をおこうとしている、と感じた。
そして子猫たちもごく自然に、初め暮らしていた犬舎の中には戻らなくなり、
犬舎の屋根、庭、軒下、道路に通じる通路・・・というように
我が家の囲いの外に向かって活動場所を移動していった。
エサをくれる人間のところに子猫を置いて姿を消す猫も多いと聞くが、
この母猫は着々と、子ども達の自立に向けての準備を進めていたのだ。
アツキの事故死は、その過程で起こった。
by immigrant-photo
| 2009-08-05 14:22
| wanderings