2009年 06月 19日
< ゆめいろのパレットⅣ展 > |

3月14日(土)~7月5日(日)
国際子ども図書館 3階 本のミュージアム
本を読むのは好きなのに、どうも図書館という空間が苦手である。
漫画みたいだけれど、「し~~~ん」と極太で書かれた字が頭の上にのしかかってきて。
静かで落ち着いた空間・・・の筈なのに、私はどうも落ち着かない。
だから国際子ども図書館のことも、名前は聞いたことがあったが場所さえ知らずにいた。
昨日の記事に「友達に会いに行く」と書いたけれど、
本来の目的はこの展示を見ることだった。
その友だちとは最近よく一緒に美術展を見に行く。
大概、友だちの方がおもしろそうなのを見つけてきて、私に声をかけてくれるのだが、
今回は、誘ってくれたその友だち自身が「どういうのだかわからないんだけどね、
一応、行ってみようかと思って・・・あなたはどうする?」といつになく気弱だったので、
あまりはりきって行くよりも友だちに会ったついでに見た、ぐらいの気持ちで
行ったほうがいいのかな、と。
何しろこの友だちは、明晰すぎるほど明晰な頭脳と、
そこに蓄えた膨大な情報を借り物に終わらせない強靭な思考力とを併せ持ち、
そのクールな知性の底を溢れんばかりの詩人の感性が流れているような、
とにかくすごい人なので、ランチでもしながら話を聞いているだけで、充分おもしろいのだ。
それで昨日は、正直その友だちとまた会えるうれしさだけで、いそいそと上野に向かった。
ところが、この展示がなかなかよかったのですよ。
いい意味で、こちらの期待を大きく裏切ってくれました。
展示の内容は、第16回野間国際絵本原画コンクールの入賞作から選んだ68枚の原画と
アジア、アフリカ、ラテンアメリカの絵本約150冊。
野間国際絵本原画コンクールは、財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)が
1978年から隔年で主催してきたアジア、アフリカ、ラテンアメリカ地域の
芸術家を対象とした絵本の原画コンクールである。
普段どうしても欧米諸国のものを目にする機会が多い私たちの目には、
とにかくどれもが新鮮だった。
中でも驚いたのが、イラン。
受賞者を輩出しているので、たくさんの作家のものが展示されていたが
いずれも伝統的な様式美と新しい感覚がミックスしたような感じがあり、
どことなく愛嬌があるけれども幼稚ではない絵柄。
色味は渋めなのにカラッとした透明感があるのは、風土によるのだろうか。
そういえば、イランは映画も独特のおもしろさのあるものが多い。
文化的に豊かな土地柄なのだろう。
もちろん、他の国のものもそれぞれにお国柄が出ていて楽しく
一点一点じっくり見入ってしまった。
これが無料で見られるのは、かなりお得なのではないかと。
展示されているものの中には、下の閲覧室で絵本を見ることができる作品もあり、
同行の友だちは、日を改めてもう一度ゆっくり来てみたいと言っていた。
図書館が苦手な私も、(この展示期間中の再訪は無理だとしても)
この図書館なら、時間のあるときにまた来てみたいと思った。
明治時代に帝国図書館として建てられただけあって、建物自体も素敵です。
上野公園のはずれにあって、辺りは緑豊かで散策にもぴったり。
お子さん連れでもそうでなくても、楽しめる場所だと思います。
オススメ♪


by immigrant-photo
| 2009-06-19 10:21
| 美術展