2009年 06月 17日
CELLULOID JAM |
エキサイティングな週末・・・
先ずはこちら↓をご覧いただきたい。
CELLULOID JAM オープンハウス
この「セルロイド・ジャム」は、この度横浜市に新築された個人住宅で、
建築家 前田紀貞氏の作品である。
前田さんは、私がいつも作品を撮らせていただいている彫刻家 尾崎悟さんと親交があり、
そのお噂は、兼ねてから尾崎さんに伺っていた。
いわゆる “男が惚れる男” の典型、というべきか。
その男前っぷりは、前田さんご自身の建築ブログや、
友人として尾崎さんのホームページに寄せられたメッセージからも明らかで
私もいつかお目にかかれたら・・・と憧れを募らせていたのである。
その前田さんの新作がお披露目されるというので、
去る6月13日(土)、彫刻家 あやさんと一緒に横浜に向かった。
約2時間という道中も、気の置けない道連れがいればむしろ楽しい。
何だかんだと話に花が咲くうちに、あっという間に最寄り駅である妙蓮寺駅に着いた。
ここから歩いて約10分、とのこと。
坂の多い、風情のある街だ。
横浜といえば中華街とみなとみらいぐらいしか行ったことのない私には
どことなく昭和の香りのする懐かしいような町並みがとても新鮮だった。
その落ち着いた住宅街の坂道を上ったり下ったりして、目指す場所にたどり着く。
そこには、最後の難所である急な階段が待ち受けている。
多少息が上がる自分を自覚しつつその階段を上って受付を済ませ、
指示されたとおり、建物の2階へ続く外階段を更に上がっていくと、
その途中に、前田さんご本人がおられた。
前田さんと面識のあるあやさんに教えられ、ひと通りの簡単な挨拶をさせていただく。
初めてお目にかかった前田さんは、眼光鋭く、腕の立つ武士の佇まいであった。
文は人を表す、を実感。
そして「セルロイド・ジャム」である。
全体の形は上でリンクをはったページのトップに掲載された完成予想図を見ていただきたい。
でもそれだけでは、一体どんな建物なのか、具体的にイメージできないのではなかろうか。
何しろ、通常 “家” という言葉を聞いて、私たちが頭に思い浮かべる形とは
似ても似つかぬ形であることは確かである。
なぜそのような形になったかについて、当日現地で配られた資料では、
以下のように説明されている。
建築写真といえば、広角レンズを使い、できる限り絞り込んで隅々までピントを合わせて、
構図をビシッと決めてかっこよく撮るのが王道だけれど、
いつも絞り開放でボケボケのイメージ写真を撮っている私としては、
そういう全体像ではなくて、実際にこの空間に身を置いて感じたことに焦点を合わせるような
イメージで撮影させていただくことにした。
ジャムのように斜面にへばりつくメビウスの帯・・・
FRPという、一般家庭では浴室などに使われる素材が内外ひとつらなりでその表面を覆う。
それは一見のっぺりと真っ白で、清潔すぎるほど清潔な、いかにも人工的な表面なのだが、
そこにドロドロと塗り込められた隠微で妖しい江戸川乱歩的情感を、
以下の写真のどこかに感じていただけるとうれしい。







先ずはこちら↓をご覧いただきたい。
CELLULOID JAM オープンハウス
この「セルロイド・ジャム」は、この度横浜市に新築された個人住宅で、
建築家 前田紀貞氏の作品である。
前田さんは、私がいつも作品を撮らせていただいている彫刻家 尾崎悟さんと親交があり、
そのお噂は、兼ねてから尾崎さんに伺っていた。
いわゆる “男が惚れる男” の典型、というべきか。
その男前っぷりは、前田さんご自身の建築ブログや、
友人として尾崎さんのホームページに寄せられたメッセージからも明らかで
私もいつかお目にかかれたら・・・と憧れを募らせていたのである。
その前田さんの新作がお披露目されるというので、
去る6月13日(土)、彫刻家 あやさんと一緒に横浜に向かった。
約2時間という道中も、気の置けない道連れがいればむしろ楽しい。
何だかんだと話に花が咲くうちに、あっという間に最寄り駅である妙蓮寺駅に着いた。
ここから歩いて約10分、とのこと。
坂の多い、風情のある街だ。
横浜といえば中華街とみなとみらいぐらいしか行ったことのない私には
どことなく昭和の香りのする懐かしいような町並みがとても新鮮だった。
その落ち着いた住宅街の坂道を上ったり下ったりして、目指す場所にたどり着く。
そこには、最後の難所である急な階段が待ち受けている。
多少息が上がる自分を自覚しつつその階段を上って受付を済ませ、
指示されたとおり、建物の2階へ続く外階段を更に上がっていくと、
その途中に、前田さんご本人がおられた。
前田さんと面識のあるあやさんに教えられ、ひと通りの簡単な挨拶をさせていただく。
初めてお目にかかった前田さんは、眼光鋭く、腕の立つ武士の佇まいであった。
文は人を表す、を実感。
そして「セルロイド・ジャム」である。
全体の形は上でリンクをはったページのトップに掲載された完成予想図を見ていただきたい。
でもそれだけでは、一体どんな建物なのか、具体的にイメージできないのではなかろうか。
何しろ、通常 “家” という言葉を聞いて、私たちが頭に思い浮かべる形とは
似ても似つかぬ形であることは確かである。
なぜそのような形になったかについて、当日現地で配られた資料では、
以下のように説明されている。
この敷地に初めて足を踏み入れた時、江戸川乱歩小説の洋館でも建っていそうな、官能的で耽美な肌触りが感じられました。なんとかその艶っぽい “自然” と “建築” をドロドロに溶かしてしまいたい、そんな中での生活こそここでの特権に違いない、という想いから出発しました。撮影OKとのことだったのでもちろんカメラ持参で行った。、
その為の手法が、「メビウスの帯」です。これは【表】(外部)と【裏】(内部)という対極を通底させる幾何学です。
この敷地の上に、 “メビウスの帯” (今回は “両端切りのメビウスの帯” )が、ジャム(JAM)のようにねっとりへばりつき、【外部(外構)】・【内部(建築)】の対極が、互いに溶け合ってしまうようなそんな風景が想像されました。しかもそれは、古ぼけたセルロイド(CELLULOID)のような情景として。
建築写真といえば、広角レンズを使い、できる限り絞り込んで隅々までピントを合わせて、
構図をビシッと決めてかっこよく撮るのが王道だけれど、
いつも絞り開放でボケボケのイメージ写真を撮っている私としては、
そういう全体像ではなくて、実際にこの空間に身を置いて感じたことに焦点を合わせるような
イメージで撮影させていただくことにした。
ジャムのように斜面にへばりつくメビウスの帯・・・
FRPという、一般家庭では浴室などに使われる素材が内外ひとつらなりでその表面を覆う。
それは一見のっぺりと真っ白で、清潔すぎるほど清潔な、いかにも人工的な表面なのだが、
そこにドロドロと塗り込められた隠微で妖しい江戸川乱歩的情感を、
以下の写真のどこかに感じていただけるとうれしい。







by immigrant-photo
| 2009-06-17 08:47
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