2010年 10月 28日
ねこのことこねこのこと #14 |
この幸せな光景を奪ったのは私だ。
だから罰を受けた。
せめて母猫が手術を受けている間に子猫たちを引き取っていただければ
よかったのだけれど、Hさんと私と双方の都合がなかなか折り合わず
子猫たちはしばらくうちで預かっておくことになった。
といっても、もう母猫と過ごさせてやることはできない。
私は、とてもつらい時間を過ごすことになるのを覚悟しなくてはならなかった。
夕方遅く、手術を終えた母猫を引き取りに行った。
その夜はそのままキャリーの中で過ごさせるようにとのことだったので
もし雨が降っても濡れないように、屋根の下にキャリーを置いた。
母猫は、外に出せと鳴く。
その声を聞いて、うちの中では子猫たちが一斉に母猫を呼び始める。
母を求める子猫たちの声に、今度は母猫が必死で応える。
声ばかりでお互い姿が見えないものだから
呼び合う声はますます大きく、悲痛な響きを強めていく。
特にこの仔、まろんちゃんは一際高い声で休むことなく鳴き続けた。
きょうだいの中で一番ちっちゃいのに、ろくにごはんも食べないで
うろうろと母親を求めながら鳴き続けるのだ。
私はその夜、彼女を抱いて「ごめんね、ごめんね・・・」と謝りながら、
ケージの脇で朝まで過ごした。
by immigrant-photo
| 2010-10-28 11:08
| thinking