2009年 01月 11日
コラボレーション 「アメフラシ」 |
昨年の12月25日、銚子電鉄海鹿島駅に展示された
本山ひろ子さんの作品 「アメフラシ」 を撮影しに行きました。
本山さんとのコラボは2回目です。(前回のコラボについてはこちら)
* * *
真冬だから、雪が降ることもあるかも・・・とスタッドレスタイヤに換えて構えていたが
当日は、12月末とは思えないぽかぽか陽気。
それだけでも幸先がよいような気がして、気分よく銚子に向かった。
当番のために前日から銚子入りしていた本山さんとは、
駐車スペースのある犬吠駅で落ち合い、1日乗車券を手に早速海鹿島駅に向かう。
ガタコン、ガタコン・・・と懐かしい音を立ててのんびり走る電車にゆられ
初めて降り立った海鹿島駅は、まるで昭和にタイムスリップしたかのような
こじんまりした無人駅だった。
駅にいたおばさんが本山さんと親しげに話していたので、てっきり知り合いかと思ったら
その後の展開を見るに、ただの通りすがりだったらしい・・・
つまり本山さんはそういう人で、だから作品もしっかりそういう感じなのだ。
人に警戒心を抱かせないというか、他人に対して開かれているというか。
それで今回の撮影に関しても、本山さんからの要望は、
作品そのものの形状よりは、この海鹿島駅という場、
人が普通に行き来する場所に当然のように作品があるということ、
にポイントを置いてほしいということだけだった。
そしてそれだけ伝えると、本山さんはうちの子供たちに付き合って
スタンプラリーに出発してしまった・・・・・・
任されてしまったということの責任を、ひしひしと感じながら
改めてアメフラシをじっくり見る。
実物は褐色のナメクジ状の生き物(大きさは結構いろいろあるようだ)だが、
本山さんの作品は真鍮製なので神々しく輝いている。
それが堂々と駅長の帽子をかぶって、無人の筈の駅舎の窓口に陣取っているのである。
こういう濃いハデさと、ちょっと怖いのにどうにも気になってしまうという類の存在感は
そうだ・・・・・宮崎アニメ 「千と千尋の神隠し」 の湯屋のイメージに似ている。
そんなことを思いながら、一人でバシバシ写真を撮った。
スタンプラリーの途中で、様子を見がてら一旦海鹿島駅で降りられた本山さんは
そんな私を見て、そのまま黙って子ども達を海方面の散歩に連れて行ってくださった。
本山さんと子ども達が散歩から戻った時点で、撮影終了。
その後は、私も一緒にスタンプラリーを続けつつ、銚子電鉄の旅を満喫した。
結局、本山さんには半日しっかり付き合っていただいてしまった。
お忙しいのに申し訳なかったが、子ども達はとても楽しい時間を過ごせたようで
帰り道、車で海の近くを走っているときに「さっき本山さんとここまできたんだよ~」
などと、うれしそうに話を聞かせてくれたりした。
本山さんは、子どもに対してもやはり開かれている。
撮るときのイメージと、銚子電鉄全体の感じに引っ張られて
レタッチ(仕上げ)はかなりしっかりめで、昭和色濃厚な感じになった。
こういうクセのある仕上げ方は好き嫌いがありそうなので、
仕上げた写真を本山さんに送ったあとは、気に入ってもらえるかどうかドキドキした。
そして昨夜、本山さんから連絡をいただき、
すでに自身のホームページの方にアップしていただいたとのこと。
早速見にいってみたら、随分たくさん載せてくださっていた。
気に入っていただけたんだ・・・
とてもうれしく、またホッとした。
そしてもう一つうれしいことに、件の 「アメフラシ」 駅長は、
展示期間終了後も継続勤務を希望し、銚子電鉄側にもその要望が受け入れられた由。
つまり、海鹿島駅にはまだ当分の間彼が座っているというわけである。
銚子にいらっしゃる機会があれば、ぜひ海鹿島駅を訪れて
彼のまじめな勤務ぶりを見てやっていただきたいと思う。
作品の写真は、以下の本山さんのホームページでご覧下さい。
motoyamahiroko works
by immigrant-photo
| 2009-01-11 00:09
| 交流